• ゆきこ

全日本学生音楽コンクール全国大会③


緊張した面持ちでステージに出てきた娘は、長いお辞儀をしました。

これは娘の拘りで、気持ちを落ち着かせる意味もありますが、

少し長い方がお客様や審査員への感謝が伝わるからです。

プロコフィエフの冒頭は非常に繊細で、少し緊張するだけで音が重くなったり、指の震えがヴィブラートの配分をいとも簡単に変えてしまいます。

もっともイメージが大切な冒頭部分。

前奏を待つ僅かな間、弓を持つ右手を少し振り、脱力を試みていました。

娘はこういうことはほとんどしませんから、やはり力みそうな気配があったのでしょう。

心配を裏切って、調子の良いときの澄んだ音がスッとホールに溶け込み、

どんどん展開していきます。

後日談、娘は一番の盛り上がり箇所まで意識がなかったそうです。

些細なミスはあるにはありましたが、ステージ上であることを考えた上でのベストパフォーマンスだったと思います。

今回は1、2楽章だったので、2楽章がまだ続きます。

1楽章終了後、娘は後ろの伴奏者H先生を振り返りました。

アイコンタクトを取ったH先生のお顔が笑顔になりました。

これも後日談、娘は「ここまで連れてきてくれてありがとうございました」と楽章合間に感謝を伝えていたそうなのです。

H先生は本番の前も後も「○○ちゃんのお陰で素敵なホールで伴奏出来る!」と何度も仰っておられましたが、

娘は娘で、H先生が一緒だから頑張ってこれた、そのお礼を終わってからではなく素晴らしい舞台で伝えたかったのでしょう。

我が子ながら粋ですね。

2楽章は練習の段階から上手くいくかは既に博打でした(><)

1楽章の冒頭にものすごく練習時間を費やし、その分、2楽章の練習時間があまり残らなかったのですが、初めが上手く弾ければのっていけると考えていた様子。

でも、ステージでは実際その通り進みました。

難しい2楽章の音程、本番が一番良かったかも。

1度客席へ入ったら出れないとのアナウンスだったので、ラストの演奏を聴いて控え室に走りました。

私の顔を見て「怖かった」と安心して泣く娘を抱き締め、この為に私は存在するんだと、また、いつまでこの役目も出来るのか。

嬉しいことだけど、怖かった感情も自分で消化出来るようになっていくのですから。

この時点で6時半頃。

まだ発表と講評会があります。

続く…。

#全日本学生音楽コンクール #学生音楽コンクール

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